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感想「追い風ライダー」

米津一成「追い風ライダー

 

 この本は読んだ本の1冊目で感想を書いた「俺はバイクと放課後に 走り納め川原湯温泉」の帯に、この作品を読んだ人におススメの本!と紹介されており、つい最近アマゾンで購入しました。私は基本ブックカバーを付けないので、そういうとき帯は邪魔でしかないのですが、今回は帯が付いていて良かったと心底思いました。

 

 今日読み終わったばかりですが、非常に面白かったので即感想を書くことにしました。この本はライダーとタイトルが付いていますが、バイクではなく自転車乗り達の話になります。短編が5本とエピローグが入っており、各短編の主人公達が脇役として別の短編にも登場します。こういった連作短編小説が私は大好きです。それはきっと話が終わっても、次の話でも主人公達が生きているということが、読んでいて伝わるからだと思うんです。

 基本的には、自転車に乗っている/乗っていた人たちの物語です。乗っている人は、乗り続け新しい道を探し、乗っていた人たちは新しい出会いでまた自転車の世界に入り込んでいきます。この描写がまた秀逸で、私も自転車が欲しくなりました。なんだかバイクや自転車ばかり欲しがっているようですが、本を読んでいるとそういうことは良くあります。

 本を読んでいる最中って、私がその物語の中で生きていて、その世界の空気を吸うことが出来るってことが一番の醍醐味だと思うんです。私は現在バイクも自転車も持っていませんし、「俺はバイクと放課後で」や、この「追い風ライダー」に登場するような場面を走ったことももちろんありません。でも、本を読むっていうのは机に座って本を読んでいるだけなのに、彼らと同じ風を感じることができるんです。走っている途中に雨が降ってくる場面では、その場面がすごくリアルに、それこそ手に取るように目の前に浮かびます。嘘だと思われたら是非いろいろな本を読んでみてください。この本や、紹介済みの「俺はバイクと放課後に」を読めば風を感じるし、レイモンド・チャンドラーを読めばあなたもきっと名探偵になれますから。

 

追い風ライダー (徳間文庫)

追い風ライダー (徳間文庫)

 

 

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